2018年6月28日 (株)さわかみホールディングス会議室
澤上篤人塾長
今日は塾生からの質問をベースに塾を進めたい。
塾生:不動産投資は長期投資の考え方に入るのか?
塾長:欧州大陸系の保険会社などは、リーマンショックの時にマンハッタンやパリの土地を買った。
以前から狙っていた・・・もしかしたら30年前から狙っていた。
価格が高いうちは採算が立たないが、暴落時なら・・・。
必ずそのあたりの土地のニーズは残るので、千載一遇の機会を待ったのだ。
加えて、待っている間はキャッシュをどうするのか・・・これも含めて投資の考え方。
塾生:企業を見ていると経済に関心が移り・・・すると情勢なども気になるが。
塾長:結婚しているか?
塾生:していない。
塾長:独身か・・・週末など自炊するか?
塾生:あまりしない。
塾長:では、レストランはいる時、経済のことを考えるか?
塾生:いや・・・食べるものしか考えない。
塾長:皆が並んでいるならおいしそうだとか、10%割引なのに人がいないとはまずいのか・・・。
経済っていうのは人々の生活が集まってできるもの。
多くの人は普通の生活をしている、それを支えるのが企業活動。
学者や経済本などあるが、そんなの毎日更新されているか?
長期投資においては経済の現場の方が大切。
アナリストは、20%が財務分析、30%が競争環境の調査、残りの50%は消費者動向。
消費者の今後の動向、生き様や趣向などを長い時間軸で想像すること。
過去は客観、将来は主観、企業経営も消費者の欲も将来にしかない。
論文の寄せ集めではなく、主観的に想像すべき。
塾生:メルカリが上場した。ラインペイよりメルカリペイが勝つと思うが?
塾長:そんな細かいことは自分で考えろ。
塾生:確信を持って投資するか、それとも不安の中で買い進めるか?
塾長:リターンに対する確信を持つわけでない・・・良い世の中へ貢献するかどうか。
確信と言う意味では、世界人口は増えていくことだけ。
そこで必要とされるモノ・サービスは何だろうかと考え、確信を持つ。
お前ら、風呂入るだろ?
二日に一度という男性も時々いるが・・・まあ、シャンプーは毎日使う。
ガスも沸かす、水も必要、様々なものが必要。
まだ、川で水浴びをする人たちもいるかもしれないが、一度風呂に入ったらやめられない。
世界でそういった人口が増えていけば、それが大きなトレンドとなる。
塾生:インフレについて言及する報道があるが、どう考えるか?
塾長:報道なんて今を語っているだけ、大切なのはそれだけで判断するなということ。
デフレが30~40年続いているけど、これが永遠に続くかどうか。
塾生:現在は、金融経済が実体経済の上にあるが・・・株などもいずれ下がるのか?
塾長:まぁ、下がる。
塾生:では、投資を控えてキャッシュで持っていた方がいいか?
塾長:仮に1~2年下がらなかったら、キャッシュで持って耐えられるか?
塾生:ちょっと耐えられない。
塾長:当塾の目的がそこ、その心理などを鍛えること。
いつ起こるか分からないが、起こってから慌てても仕方がない。
塾生:考えるほど分からないことが多いが、焦るべきか、ゆっくり学ぶか。
塾長:分からないことは当たり前・・・主観だから。
だから想像で遊ばないと。
ゆっくりやるか慌ててやるかではなく、面白いからどんどんやってしまうという感じ。
塾生:考えがまとまらない間に何か起こったらどうすれば?
塾長:分かる分からないではなく、応援したいかどうかで行動する。
塾生:売りタイミングが分からない。
塾長:売らなければいいじゃないか。